江市(読み)さばえし

日本歴史地名大系 「江市」の解説

江市
さばえし

面積:八四・二三平方キロ

福井県嶺北地方のほぼ中央に位置し、旧今立郡・旧丹生郡の各一部からなる。市域は南北三・四キロ、東西一八・六キロ。西方を日野川が北流し、東方では河和田かわだ川が鞍谷くらたに川と、さらに文室ふむろ川と合流して浅水あそうず川となり、北辺を西流する。また西端は丹生山地、東部は越前中央山地に挟まれるが、ほとんどが平野部である。市街地は日野川東側の鯖江台地に沿って南北に通ずる旧北陸街道を中心に形成される。北は福井市、東は足羽あすわ美山みやま町、南は武生市・今立郡今立いまだて町、西は丹生郡朝日あさひ町・宮崎みやざき村に接する。

〔原始・古代〕

縄文遺跡は三里さんり山西麓にある下新庄しもしんじよう遺跡、弥生遺跡は西山公園にしやまこうえん遺跡・しん遺跡などがある。古墳は各地に多数分布し、前期古墳は鯖江台地上にある王山おうざん長泉寺山ちようせんじやま古墳群をはじめ、北中山きたなかやま地区の弁財天山べんざいてんやま古墳群・今北山こんぶくさん古墳群、三里山北東方の川島かわしま東山ひがしやま古墳群がある。中期古墳は田所たどころに県下最大の円墳兜山かぶとやま古墳がある。後期古墳は市西北に位置する天神山てんじんやま古墳群中の三ッ禿みっはげ支群が代表的な例で、横穴式石室を主体とした当地方後期古墳の特色を示す。

和名抄」記載の今立郡のうち勝戸いそへ郷・舩津ふなつ郷、丹生郡のうち野田のだ郷・いずみ郷が当市域と考えられている。「延喜式」神名帳の丹生郡一四座のうち「大山御板オホヤマミタノ神社」、今立郡一四座のうち「石部イシヘノ神社」「丹津ニツノ神社」「刀那トナノ神社」「加多志波カタシハノ神社」「敷山シキヤマノ神社」が市域に比定されるが、「丹津神社」の系譜を引くと考えられる舟津神社以外は異説を含む。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報