江戸から東京へ(読み)えどからとうきょうへ

改訂新版 世界大百科事典 「江戸から東京へ」の意味・わかりやすい解説

江戸から東京へ (えどからとうきょうへ)

矢田挿雲の歴史読物。1920-23年(大正9-12)《報知新聞》に連載。内容はしだいに都市化の進む東京の町々の名所旧跡を訪ね,土地に残る口碑伝説を調べ,時には古老に取材して各区ごとに残っているそれらの地誌と歴史を描いたものである。太田道灌江戸城築城以来,家康入府,江戸時代,明治時代そして大正期に入った東京の位相精細に再現されている。当時の回顧的な江戸趣味の風潮と軌を合わせながら,それとは異なる生活感覚と文化史的視野で,失われてゆく江戸の姿がとらえ直されているのが特色である。新聞の連載読物として新機軸をひらくとともに,足で書かれた東京案内記でもある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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