江湖小集(読み)こうこしょうしゅう(その他表記)Jiang-hu-xiao-ji

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「江湖小集」の意味・わかりやすい解説

江湖小集
こうこしょうしゅう
Jiang-hu-xiao-ji

中国の詩集のシリーズ。南宋の陳起の編。宝慶1 (1225) 年頃成立。陳起は杭州の書店主で詩をよくし,戴復古劉克荘をはじめとして自分も含めて 109人の同時代の詩人の詩集を刊行し,「江湖小集」と総称した。「江湖」とは民間の意であり,本集に収められた詩人はほとんど民間人で,それも戴復古などを除いては伝記も不明な者が多い。本集の名によってこの詩人群は「江湖派」と呼ばれ,翁巻,趙師秀らのいわゆる「永嘉四霊」に次いで,南宋における市民層の作詩への参加を象徴する。本書はなかに不穏な句を含むという理由で版木が焼かれ,陳起は流罪となり,しばらく一般人の作詩が禁止されたといわれる。しかし作詩階層増大の傾向は,次の元,明代へもさらに強く引継がれた。

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