戴復古(読み)たいふくこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「戴復古」の意味・わかりやすい解説

戴復古
たいふくこ
(1167―?)

中国、宋(そう)代の詩人。字(あざな)は式之(しきし)。号は石屏(せきへい)。黄巌(こうがん)(浙江(せっこう)省)の農民の出身。若いころから旅に出、福建広東(カントン)、広西、湖南の各地を放浪すること50年、大官や市民の富豪に詩文を売って生活していた。理宗の淳祐(じゅんゆう)年間(1241~52)に80歳を越えて健在。江湖派の代表的詩人として有名で、大詩人陸游(りくゆう)に詩を学んだこともあり、技巧を加えない清健軽快なその詩は、唐の高適(こうせき)の詩に似ているとされる。気骨のある詩人で、国家の衰えを嘆く作も多い。著に『石屏集』10巻がある。

[横山伊勢雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「戴復古」の意味・わかりやすい解説

戴復古
たいふくこ
Dai Fu-gu

[生]乾道3(1167)
[没]淳祐10(1250)?
中国,南宋の民間詩人。号,石屏 (せきへい) 。父も農民詩人だった。高官や富豪の屋敷を遍歴して詩を売って生計を立てていたが,詩風は平穏で,日常の感懐を淡々と詠じた詩が多い。いわゆる江湖派の代表的存在。詩集『石屏詩集』。 (→江湖小集 )  

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