日本歴史地名大系 「江袋」の解説 江袋えぶくろ 長崎県:南松浦郡新魚目町曾根郷江袋[現在地名]新魚目町曾根郷 江袋曾根(そね)郷の北方に位置し、東は多石(たいし)山、南西は広い入江に臨む。北は仲知(ちゆうち)、南は大瀬良(おおぜら)。至徳二年(一三八五)五月三日の禅源等連署裁決状案(青方文書)に「ゑふくろ」とみえ、平戸松浦氏と青方氏の境相論は禅源ら六人の寄合によって裁決され、当地と仲知の間の「みさこさき」(現津和崎郷のビシャゴ)などを境に、その北の山野・河海・網などを平戸松浦領とし、青方氏はその南の山野・河海・網・牧などを知行し、これに異議を言わぬよう取決めている。応永七年(一四〇〇)には有河(ありかわ)浦中(現有川町)の篤・鮎河昵・穏阿ら六人が寄合をもって、「ゑふくろかますあしろ」のうち浦網代と二ッ河原網代を一年交替で引くよう定めており、「まいねん事むつかしく候間」「ふたつのあしろの事ハ、まいねんうらかゑゝゝ御ひき候へし」として、資源を枯渇させ、不漁となるのを避けるのが目的であった(同年二月九日「篤等連署押書状案」同文書)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by