決疑法(読み)けつぎほう(その他表記)casuistry

翻訳|casuistry

改訂新版 世界大百科事典 「決疑法」の意味・わかりやすい解説

決疑法 (けつぎほう)
casuistry

〈事例〉を意味するラテン語casusに由来し,一般にある学問における原則を特定の事例に適用する方法を指すが,キリスト教神学においては道徳原理を個別的事例に適用することにかかわる,倫理神学の一部門を意味する。われわれは道徳的原理については確実に知っていても,その下にふくまれるすべての個別的事例を熟知しているわけではないから,決疑法は道徳問題に関して指導,助言すべき責務をおびる者にとって有益かつ必要である。他方,決疑法の機能は良心による正しく賢明な判断を助けることであり,後者を不用にするのではない。決疑法は福音書までさかのぼり,キリスト教倫理の重要な部分をしめるが,17世紀の中ごろ,空疎で,いたずらに精密な議論にふけって道徳の弛緩を招く傾向が目だち,パスカルの批判に服した。現代では逆に決疑法は状況倫理の唱導者から〈律法主義〉〈厳格主義〉として批判される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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