翻訳|dandruff
頭部の皮膚から剝離(はくり)する,米ぬか状の白っぽい細かい皮膚の表皮角質細胞層をいう。表皮の細胞は基底細胞層で細胞分裂をして増殖し,以後有棘細胞,顆粒細胞を経て最後に死んだ角質細胞となり,これに皮脂腺から分泌された中性脂肪などが混じって,あか(垢)となって自然に脱落する。脱落する角質細胞層を鱗屑(りんせつ)といい,落ちる状態を落屑(らくせつ)という。被髪頭部は毛包に開口する脂腺に富んでおり,長く洗髪をしないと脂腺から分泌される皮脂とよばれる脂質成分のトリグリセリド,ワックスエステル,スクワレンが鱗屑にしみこんで,脂っぽいふけになる。新生児,乳児の頭部にみられる黄色調を帯びた脂っぽい厚いかさぶたは,皮脂が角質に多量に付着し固まったもので,ふけの一種。よくセッケンで洗うとよい。1歳ころになると自然に治癒する。成人にみられるふけ症には,炎症症状を伴わない頭部粃糠疹(ひこうしん)とよばれるものと,頭皮が赤みを帯びていて炎症症状を伴うものとがある。後者には,脂腺の皮脂産生が高まっていることが一因となっている脂漏性皮膚炎や,表皮細胞の角化現象が亢進しているために角質細胞層がつぎつぎとつくられては脱落していく尋常性乾癬(かんせん)などがある。
執筆者:松尾 聿朗
古代医術ではふけを〈頭垢〉と呼び,まるめて吐き気の治療に服用したほか,ムカデや犬にかまれたときや,竹や木を刺して出て来ない場合に塗る。このときに酒を用いる場合もあった。傷寒というチフスやマラリアに似た寒熱病の場合にも使われていた。
執筆者:槙 佐知子
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表皮の最表層である角質層がはがれてできた米糠(こめぬか)様の小さい灰白色の鱗屑(りんせつ)をいう。乾性脂漏(かんせいしろう)の俗称である。皮面におびただしく付着して発赤したり、かゆみを訴えることがあり、これを一般にふけ症という。被髪頭部に好発し、とくに頭部粃糠疹(とうぶひこうしん)とよばれる。放置すると、脱毛をきたすことがある。
[伊崎正勝・伊崎誠一]
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