沈降流(読み)ちんこうりゅう(その他表記)sinking; downwelling

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沈降流」の意味・わかりやすい解説

沈降流
ちんこうりゅう
sinking; downwelling

下向きの水の運動水面付近で水平の流れが収束しているところや,水面が冷却され密度が大きくなるところには必ず存在する。湖や海の表面ごみなどが一列になって並んでいることがよくあるが,これは波などによって海表面に流れの収束域が生じ,そこに沈降流が存在していることを示している。また風が一定期間 (1日程度) 吹くと海表面には吹送流が生じるが,この流れと直角方向に海岸線などがあると流れは岸付近で収束し沈降流となる。この沈降流の幅は海洋ではだいたいロスビーの内部変形半径 (20~30km) 程度である。実際の海洋ではさまざまな場所で大洋上を吹く風によって広範囲な収束域 (亜熱帯収束域など) がつくられており,そこでは数千 kmの規模で沈降流が存在する。

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百科事典マイペディア 「沈降流」の意味・わかりやすい解説

沈降流【ちんこうりゅう】

海水の鉛直下方への運動。表層で付近より高密度の海水が存在したり,表層で海水の収束がある場合に生ずる。沈降した海水はその密度に応じた適当な深さで水平に広がる。
→関連項目海流

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