沈降電位(読み)チンコウデンイ

化学辞典 第2版 「沈降電位」の解説

沈降電位
チンコウデンイ
sedimentation potential

泳動電位ともいう.荷電した微小粒子が,溶液中で重力あるいは遠心力の場で移動するとき,移動方向に発生する電位差をいう.また,この現象をドルン効果という.この現象は電気泳動の逆現象である.沈降電位 Esed は,重力の作用で沈降する場合には,次式で与えられる.

ここで,rは粒子の半径ρ1 および ρ2 は粒子および溶液の密度,nは単位体積中の粒子数,gは重力加速度,ε,ηおよびκは溶液の誘電率,粘性係数および比伝導率であり,ζはζ電位である.遠心力場の場合には,gのかわりに ω2x(ωは角速度,xは回転軸からの距離)を用いる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の沈降電位の言及

【界面電気現象】より

…この電位差を流動電位と呼ぶ。さらにコロイド粒子を重力によって沈降させたり,遠心力によって強制沈降させるときに液の上下に生ずる電位差を沈降電位(またはドルン効果)と呼ぶ。界面動電現象の相互関係を図2に示す。…

【ドルン効果】より

…1878年ドイツのドルンE.Dornによって発見された。電気泳動の逆現象で,このときに液の両端に生ずる電位差を泳動電位migration potentialあるいは沈降電位sedimentation potentialという。【笛木 和雄】。…

※「沈降電位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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