日本歴史地名大系 「沓屋郷」の解説 沓屋郷くつのやごう 静岡県:静岡市旧安倍郡地区沓谷村沓屋郷近世の沓谷(くつのや)村一帯に比定される中世の郷名。沓谷郷とも書く。暦応二年(一三三九)四月五日の足利直義寄進状案(北条寺文書)によると、「沓屋郷」の地頭・郷司が円成(えんじよう)寺(現韮山町)に寄進されている。当郷が地頭方・郷司方に分れていたこととともに、北条氏・足利氏とのかかわりの深さがうかがわれる。当郷には今川氏有力家臣の所領も多い。永享一一年(一四三九)八月二四日の某書下(写、土佐国蠧簡集残篇)で朝比奈妙光は沓屋郷地頭職を安堵され、天文一二年(一五四三)九月一九日の今川義元判物(朝比奈文書)では朝比奈又八郎が「沓谷」を安堵され、永禄二年(一五五九)一二月二七日の今川氏真判物(写、同文書)は沓谷の替地として上当麻(かみとうま)(現藤枝市)を朝比奈千世増に安堵している。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報