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郷司 ごうし

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

郷司
ごうし

平安時代中期,11世紀初頭に出現するの役人。律令制下の郷長とは異なり,郷司職を世襲し,郷を自己の私領化しているなどの点に特徴がある。1郷のみならず数ヵ郷の郷司を兼ねる場合もあり,また安芸国高田郡司藤原氏の例にみられるごとく,郡司と郷司とが同質化していく傾向を示している。

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百科事典マイペディアの解説

郷司【ごうじ】

律令制の弛緩により,令制下の郷長が消滅し,新たに11世紀に成立した行政区分の〈郷〉の行政・裁判を担当した地方官。令制の郷の系譜を引く郷,郡が分割されてできた郷,開発によって生まれた別名(べちみょう)の郷の3種は,いずれも国衙(こくが)に直結する行政単位で,郷司(多くは在庁官人)は国司が補任し,郡司と共通した職務を遂行した。

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世界大百科事典 第2版の解説

ごうじ【郷司】

平安中・後期以降中世にみられる地方官。律令制下の郷(もと里)には郷長(もと里長)がおかれていたが,律令制の弛緩にともなってその地位はしだいに低下し,10世紀にはほとんど消滅した。これにかわって登場してくるのが郷司であるといっても大過はないが,当時と呼ばれたものの実態はさまざまなので,その系譜や規模を考慮し,郷司もさしあたり三つの類型に分けてみる必要がある。 第1は,1005年(寛弘2)の筑前国糟屋西郷司,14年(長和3)の筑前国嘉麻南郷司のように,郡を東西あるいは南北に分割したものをたまたま郷と称したために,その官人を郷司と呼んでいるケースである。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

郷司
ごうじ

平安中期以降の国衙(こくが)領(公領)の一つであった郷の司(つかさ)すなわち行政職。律令制下の郷長の称は10世紀には消滅し、11世紀に入ると郷司が登場する。律令制下の郡や郷も10世紀には解体し、11世紀初頭になると新たに国衙が支配する中世的所領としての郡、郷、保などが並列するかたちとなった。こうした中世的所領は、大名田堵(だいみょうたと)や地方豪族などの開発領主(かいほつりょうしゅ)による開発私領を核としたもので、行政単位として再編されたことで成立した(郡郷制の再編)。郷司などは私領としての郷などを世襲化するとともに、国衙の行政をになう在庁官人となり、郡、郷、保などの所領は実質的に在庁官人によって支配される国衙領となった。[鈴木哲雄]
『松岡久人著「郷司の成立について」(『歴史学研究』215号)』

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