朝日日本歴史人物事典 「沖一峨」の解説
沖一峨
生年:寛政8.12.25(1797.1.22)
江戸後期の画家。江戸深川の児玉家に生まれ,のち,鳥取藩主池田家の御用絵師沖家に養子として入る。名は貞。字は子仰,号を静斎,探三斎といった。養父探容が天保10(1839)年に没したため,一峨は翌11年跡目を相続し,30俵5人扶持で召し抱えられた。一峨は鍛冶橋狩野家の探信守道に学んだが,独自に南蘋派の写生画風や琳派をも学び,琳派風に写実を加えた花鳥画を多く遺す。作品に「四季草花図」(鳥取県立博物館寄託),「因州侯庭園図」(東京国立博物館蔵)ほか。
(安村敏信)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報