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剃髪 ていはつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

剃髪
ていはつ

の全部または一部をること。帰依,服喪悔悛,贖罪などの表現形式として古い歴史をもつ。仏教では,入門する者は必ず頭を丸剃りにし,袈裟を授けられる。釈尊当時からの慣習で,古代インドでは頭髪を剃ることは重罪の一つで最も恥とされていたが,釈尊はあえてその姿を出家の姿として選んだといわれる。この風習は仏教圏全体で行われており,仏教ばかりでなく,ヒンドゥー教,道教にもみられる。キリスト教では,ローマ・カトリックとギリシア正教会で,聖職者となるための入門儀礼として行われる。その形は歴史的には数種のものが行われたが,現在残されているのは頭頂部を丸く剃るものである。さらに,いくさに負けた者が相手の前に出るとき剃髪して悔悛,恭順の意を表わす風習もあり,刑罰として鎌倉幕府の「御成敗式目」 34条や江戸幕府の「御定書百個箇条」下巻 48条などに剃髪刑の定めがみられる。また,赤ん坊のうぶ毛を剃る「剃髪の祝」などの風習も一部で行われた。

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デジタル大辞泉の解説

てい‐はつ【×剃髪】

[名](スル)
髪を剃(そ)ること。特に、仏門にはいる際、髪を剃り落とすこと。落飾。「剃髪して尼僧になる」
産剃(うぶぞ)り」に同じ。
江戸時代の刑罰の一。姦通(かんつう)などをした女性の髪を剃り落とし、親元へ引き渡すもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

ていはつ【剃髪】

僧侶が出家するとき,俗世間を捨てて仏弟子になる心を表明するために髪をそり,円頂になること。これを〈棄恩入無為〉といい,得度式の受戒に先立っておこなわれる。これは戒律によって義務付けられたものであるが,大乗仏教では菩薩は俗形のままであり,如来も螺髪(らほつ)をつけており,ひとり地蔵菩薩だけが円頂比丘形である。しかし沙弥(しやみ),沙弥尼,比丘(びく),比丘尼は戒律にしたがって剃髪し,僧堂などでは5日目ごとの剃髪が規定されている。

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大辞林 第三版の解説

ていはつ【剃髪】

( 名 ) スル
髪を剃ること。特に髪を剃り落として仏門に入ること。薙髪ちはつ。 「無常を観じて-する」
剃髪の祝い 」に同じ。
江戸時代の女子の閏刑じゆんけいの一。姦通罪などに科し、髪を剃って親族にひきわたすもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

剃髪
ていはつ

仏門に入る者が髪や髭(ひげ)を剃(そ)ること。剃頭(ていとう)、落髪(らくはつ)、浄髪(じょうはつ)、削髪(さくはつ)、薙髪(ちはつ)、落飾(らくしょく)ともいう。経典によれば、剃髪は煩悩(ぼんのう)を断じ、おごりたかぶる心を除くためともいわれる。仏教では釈尊以来行われたが、釈尊当時のインドでは頭髪を剃ることは罪の一つで、人々はそれを恥としたらしい。今日では在家者が出家する得度(とくど)式で剃髪が行われるが、浄土宗や真宗では頭上にかみそりをあてて剃髪に擬する。これを俗に「おかみそり」という。古くは、女性の出家者は髪をすべて落とすことはなく肩のところで切りそろえたが、それを「尼そぎ」と称した。[松本史朗]

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世界大百科事典内の剃髪の言及

【薙髪】より

…薙はそる,切り除くの意。剃髪,落飾に同じ。〈かしらそり〉〈かしらおろし〉〈おぐしおろし〉などともいう。…

※「剃髪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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