河内屋与兵衛(読み)かわちや・よへえ

朝日日本歴史人物事典「河内屋与兵衛」の解説

河内屋与兵衛

享保6(1721)年7月15日,大坂竹本座で初演された近松門左衛門作の浄瑠璃女殺油地獄」の主人公。同年5月4日に起きたらしい油屋女房殺しの犯人をモデルとすると思われるが,実説は詳らかではない。大坂本天満町の油商河内屋の次男である与兵衛は,番頭あがりの継父寛容につけこんで放蕩を重ねる不良となり,実母から勘当を受けて借金の返済に窮し,同町内の油商豊島屋の女房お吉を惨殺して金を奪うが,三十五日逮夜の夜に召し捕られる。この作品は初演時には受けなかったが,与兵衛の特異な人物像が近代に入って評価され,歌舞伎,文楽で復活されたほか,映画や現代演劇でもとりあげられている。

(児玉竜一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus「河内屋与兵衛」の解説

河内屋与兵衛 かわちや-よへえ

近松門左衛門の浄瑠璃(じょうるり)「女殺油地獄」の主人公。
大坂本天満(もとてんま)町の油商河内屋の次男。放蕩(ほうとう)をかさねて実母から勘当されたが,義父に迷惑のおよぶ借金を返済しようとして同町内の油商豊島(てしま)屋の女房お吉に借金を無心してことわられ,殺して金をうばう。のち犯行が露見して捕らえられた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典「河内屋与兵衛」の解説

かわちや‐よへえ かはちやヨヘヱ【河内屋与兵衛】

浄瑠璃「女殺油地獄」の登場人物。大坂天満の油屋河内屋の次男。遊里通いにふけって金に詰り、町内の同業豊島屋(てしまや)の女房お吉に借金を申し入れ、断られて殺す。

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