河津川(読み)かわづがわ

日本歴史地名大系 「河津川」の解説

河津川
かわづがわ

天城あまぎ山中を源流とする本谷ほんたに川とおぎいり川が梨本なしもとで合流して河津川となり町のほぼ中央を南東流し、相模灘に注ぐ。延長九五〇〇メートル、二級河川。奥原おくばら川・大鍋おおなべ川・川などの支流がある。江戸時代には荷の運搬路として重要な川で、河津上郷かわづかみごう各村の山稼商品である薪は矢野やの村の中瀬なかぜに集積し、そこから舟で川を下り谷津やつ村の河口まで運び、小揚船で沖に係留した廻船に運んだ(正徳二年「証文定書」河津郷下河津)。享保五年(一七二〇)天城山入会をめぐる上郷下郷の対立で、下郷が薪の川下げを止めるという事件も起きた(「取替証文」筏場区有文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報