日本歴史地名大系 「上郷」の解説
上郷
かみごう
上郷
かみのごう
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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長野県南部、伊那盆地の南に位置する旧町名(上郷町(まち))。1993年(平成5)に飯田市(いいだし)に編入した。下伊那郡に属したが、旧町域が隣接する飯田市北部の行政域に囲まれて島状に残っていた。JR飯田線、国道153号が通じる。天竜川右岸の河岸段丘上を占め、野底(のそこ)川の扇状地が段丘にかぶさった地形をなし、このため土壌は砂礫(されき)質で、ナシ、リンゴなどが栽培され、ハウス栽培のトマト、キュウリなどの出荷も盛んである。野底山のスギ、ヒノキ、マツの美林は県下屈指のもので、八王子神社近くには岩見重太郎の狒々(ひひ)退治の伝説がある。淡路島の流れをくむ黒田人形芝居が盛んで、人形舞台は日本最大といわれ、国の重要有形民俗文化財に指定されている。
[小林寛義]
『『上郷史』(1978・同書刊行会)』
長野県南部,下伊那郡の旧町。1993年飯田市へ編入。伊那盆地南部,天竜川中流西岸に位置する。近世は飯田藩領で,天竜川支流の松川以北を占める上郷(かみごう)の中心地であった。町域は南北に長く伸び,北半分は山地であるが,南半分は天竜川の段丘と川沿いの低地からなる。かつては米作と養蚕を中心とする純農村であったが,飯田市のベッドタウン化が進み,人口も増加した。中央自動車道飯田インターチェンジに近く,JR飯田線,国道153号線沿線には自動車関連産業などの工場進出がみられる。地場産業のみそ・漬物業や機染業も行われる。下黒田地区に古くから伝わる黒田人形舞台は重要有形民俗文化財に指定されている。
執筆者:萩原 毅
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