河津温泉郷(読み)かわづおんせんきよう

日本歴史地名大系 「河津温泉郷」の解説

河津温泉郷
かわづおんせんきよう

現在河津温泉郷と称しているのは七滝ななだる大滝おおだる(小鍋を含む)みね谷津やつ河津浜かわづはま今井浜いまいはまの七つの温泉。泉質は含芒硝泉・弱食塩泉・石膏泉など。泉温は摂氏四九―八七度。平城京跡から出土した天平二年(七三〇)木簡には「川津郷湯田里」とあり温泉が里名となっていたらしい(「平城宮木簡」三―三〇六九)。応永二五年(一四一八)の証羊集(林際寺文書)によると、林際りんざい寺開山の松嶺道秀は縹田はなだの湯(現峰温泉)で湯治している。年未詳四月三日付北条家臣石巻家貞書状(山田文書)によると治部卿が養生のため河津の湯に逗留することがみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の河津温泉郷の言及

【峰[温泉]】より

…単純泉,弱食塩泉,100℃。河津浜から河津川沿いに約2km上ったところに位置し,今井浜,谷津,湯ヶ野,七滝(ななだる)などの温泉とともに河津温泉郷を形成している。8世紀ごろに発見され,古くは縹(はなだ)湯と呼ばれた。…

【湯ヶ野[温泉]】より

…単純泉,52℃。天城峠の南,河津川渓谷に位置し,今井浜温泉谷津温泉峰温泉,七滝(ななだる)温泉とともに河津温泉郷を形成する。町営の国民宿舎をはじめ旅館,民宿があるが,ひなびた情緒が残る。…

※「河津温泉郷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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