油が乗る(読み)あぶらがのる

精選版 日本国語大辞典 「油が乗る」の意味・読み・例文・類語

あぶら【油】 が 乗(の)

① 身体に脂肪が富んで、栄養十分である。とくに魚や鳥などの脂肪が増してよい味になる。また、転じて色気のあるさまをもいう。
人情本春色梅児誉美(1832‐33)初「ちっと悪毒天麩羅か、黒漫魚(まぐろ)さしみで油(アブラ)の乗(ノッ)た、あいさつが聞てへの」
物事に興味を覚えて乗り気になる。調子が出て物事がおもしろいようにはかどる。
※浄瑠璃・椀久末松山(1710頃)中「今時分三枚がたておすやつもあろ一中が咄も油がのる最中
※それから(1909)〈夏目漱石〉一三「実は此側(このがは)から彼の心を動かして、旨く油(アブラ)の乗った所を」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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