一中(読み)イッチュウ

デジタル大辞泉 「一中」の意味・読み・例文・類語

いっちゅう【一中】

都太夫一中みやこだゆういっちゅう
一中節」の略。

いっ‐ちゅう【一中】

禅宗で、一座の意。一座の人々に茶菓などを供する時などをいう。

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精選版 日本国語大辞典 「一中」の意味・読み・例文・類語

いっ‐ちゅう【一中】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 一度あたること。「一発一中」 〔陸亀蒙‐感事詩〕
    2. 日中の一食の意。
      1. [初出の実例]「止道場寺。性率素、止一中而已」(出典禅林象器箋(1741)二〇)
    3. 禅家で、一座の意。一座して茶菓子を食べるときなどをいう。
      1. [初出の実例]「斎罷請衆作粽供、点茶一中」(出典:空華日用工夫略集‐至徳元年(1384)五月五日)
    4. ひとさかづき。一杯。一鍾。
      1. [初出の実例]「当筵須見在歓、身後浮名酒一中」(出典:六如庵詩鈔‐二編(1797)五・甲寅中秋〈略〉泛舟遊巨椋湖各賦)
    5. いっちゅうぶし(一中節)」の略。
      1. [初出の実例]「風俗に応じむっくりとした一中が流行」(出典:談義本・当世下手談義(1752)五)
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 楊弓名手、今井一中。貞享・元祿(一六八四‐一七〇四)の頃の人。道二と号し、著に「楊弓射礼蓬矢抄」「同追考」などがある。
    2. [ 二 ] 一中節の創始者、都太夫(みやこだゆう)一中。

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