油変性樹脂(読み)アブラヘンセイジュシ

化学辞典 第2版 「油変性樹脂」の解説

油変性樹脂
アブラヘンセイジュシ
oil-modified resin

一般には,フェノール樹脂あるいはアルキド樹脂などの可溶性初期縮合物に高級脂肪酸の多価アルコールエステルを加え,化学的に反応させて油溶性としたもの,およびその硬化物のことであるが,とくに不飽和脂肪酸の多価アルコールエステル(乾性油など)で変性したものをさすことが多い.乾性油としては脱水あまに油,しなきり油ひまし油などが用いられる.変性によって樹脂は内部可塑性を示すようになる.乾性油変性樹脂は熱硬化性あるいは酸素(空気)硬化性を示し,不乾性油変性アルキド樹脂ブチル化メラミン樹脂あるいは尿素樹脂と加熱すると硬化する.積層板用樹脂,空気乾燥,低温焼付塗料接着剤などに用いられる.実用上は,たとえば塗料などに用いられる場合,第二の変性物質を加えて速乾性(スチレン),硬度(ロジン),耐薬品性(フェノール樹脂,エポキシ樹脂)を向上させる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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