翻訳|rosin
コロホニウムcolophonium,コロホニーcolophonyともいう。マツ属樹木の根,木部,やにから得られる無色ないし茶褐色の樹脂。松やにと呼ばれるものにはロジンをさすものが多い。とり方により次の三つがある。(1)やにに水蒸気をかけてテレビン油を除き,あとに残ったもの(ガムロジン),(2)根を細かく砕き,溶剤で抽出し,抽出物から水蒸気でテレビン油を除いたもの(ウッドロジン),(3)マツを使って紙の原料であるパルプをクラフト法でつくるとき,副産物としてうるもの(トールロジン)。こうして得たものは化学組成がかなり違うが,ロジンと呼ばれるものでは,樹脂酸がその大部分を占める。精製が不十分なときには,樹脂酸のほかに脂肪酸などを多く含む。水に溶けず,アルコール,ベンゼンに溶ける。熱をかけると100~135℃で融解する。
樹脂酸は樹木以外の天然物からほとんどとれないため今も貴重な資源である。そのまま弦楽器の弦の滑り止めや印刷インキの増粘剤などに使われることもあるが,多くの場合,変性されて各用途に供される。最も簡単な変性の例がアルカリに溶かしたロジンセッケンで,紙に油性を与えるサイズ剤に使われる。樹脂酸をグリセリンでエステルに変化させたものは粘性を付与するために役だち,食品の添加物などに使われている。樹脂酸の化学構造には化学的に活性な二重結合がある。二重結合は樹脂酸相互,樹脂酸と他の化合物(例えばマレイン酸)との反応に役だつ。反応してできたものは,重合ロジンと呼ばれて紙のサイズ剤などになる。二重結合は樹脂酸が空気中におかれたときの不安定性の原因ともなるので,水素を添加して安定化させる。水添ロジンと呼ばれ,合成樹脂,印刷インキなどへの添加剤に使われる。
樹脂酸は多くの化合物の総称で,アビエチン酸,レボピマール酸,パルストリン酸などよりなる。ロジンでのこれらの割合は生産樹種や生産方法により異なる。このためロジンは最終使用目的にあうように原料別に仕分けられる。ガムロジンなどの名称はそのために役だつ。
執筆者:善本 知孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
天然樹脂の一種で、松脂(まつやに)とよばれるものにはロジンが多い。マツの樹皮からとったバルサム(生(なま)松脂のテレビン油。テレピン油ともいう)を水蒸気蒸留してまず15~20%のテレビン油を除き、残りの水分を蒸発させ、溶融して得られた樹脂である。主成分はC20H30O2のアビエチン酸類やピマル酸類などの混合物である。もろく耐熱性はよくないが安価のため、ワニス、接着剤、ベルトの滑り止め、洗濯せっけんの配合剤、紙のサイジング剤その他に広く使われている。
[垣内 弘]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…この仮説は北欧の各級行政単位の名称が数詞と結びついていることをうまく説明し,またタキトゥス《ゲルマニア》6章でゲルマン人の軍事・社会組織についてのべた叙述とも符合するが,あまりに整然としているゆえに人口増も居住も自然に任せられていた社会にはうまくできすぎているように思える。他方先の〈部族地〉の外側に広がるバルト海・メーラル湖沿岸のスベア人地域はロジンRodhin(現代語ローデン)と総称された。この地名はローro(漕ぐ)に関係する(ちなみにフィンランド語ではスウェーデン人をルオチRuotsiという)。…
※「ロジン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新