沼影村(読み)ぬまかげむら

日本歴史地名大系 「沼影村」の解説

沼影村
ぬまかげむら

[現在地名]浦和市沼影一―三丁目・内谷うちや六丁目・沼影

白幡しらはた村の西に位置し、荒川の沖積地に立地する。中世には鎌倉鶴岡八幡宮佐々目ささめ郷に属していた。「鶴岡事書日記」応永二年(一三九五)七月二三日条によれば、鶴岡八幡宮では佐々目郷の農民たちの強訴の企てに対し、「張本百姓」一五人を鎌倉に召喚して年貢皆済まで牢舎に入れ置くことを決定した。その際作成された百姓交名のなかに「慈月坊百姓三郎次郎治影」とあり、鶴岡八幡宮二十五坊の一つである慈月坊と個別に結び付いていた三郎次郎の居住地は「(沼)影」とされている。永正四年(一五〇七)五月一五日の沼影観音堂免補任状(広田寺文書)に「鶴岡八幡宮領足立郡佐々目郷沼影観音堂免□広田寺」とあり、宮内卿律師定源なる者が沼影観音堂免の給主に補任されている。観音堂は当地の広田こうでん(廃寺)に付属する仏堂で、天文一七年(一五四八)には宮内卿法眼定舜が、また天正一三年(一五八五)二月二日には宮内卿律師奎誉がそれぞれ沼影観音堂免の給主に補任されている(「権大僧都尊杲補任状」・「鶴岡八幡宮寺院家所職補任状」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android