浦和市(読み)ウラワシ

デジタル大辞泉 「浦和市」の意味・読み・例文・類語

うらわ‐し【浦和市】

浦和

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「浦和市」の解説

浦和市
うらわし

面積:七〇・六七平方キロ

県の南部に位置し、北は大宮市・与野市、東は岩槻市、南は川口市・蕨市・戸田市、西は朝霞市・志木市・富士見市。東西一五・八キロ、南北九・九キロ。洪積台地沖積低地からなり、沖積低地は自然堤防地帯と溺れ谷に分けられる。東を綾瀬川、西を荒川が流れ、この間に市域が展開している。当市域は古代から近世に至るまで足立郡に属し、綾瀬川の東は旧埼玉郡、荒川の西は旧新座にいくら郡と入間いるま郡。洪積台地は大宮台地(北足立台地ともいう)とよばれ、関東ローム層(火山灰層)からなり、層の厚さは四、五メートルほど。大宮台地は幾つかの支台を伴っており、当市域に展開するのは浦和支台・鳩ヶ谷支台・与野支台で、標高一五メートル前後、台地上はほぼ平坦。一方、台地は大きく開析されており、最も大きい溺れ谷は見沼低地で、海退後沼沢化したと考えられる。面積は一二平方キロに及び、日光中禅寺ちゆうぜんじ湖とほぼ同面積。各支台は開析が進み、台地と溺れ谷は樹枝状に複雑に入組んでおり、無数ともいえる小舌状台地を発達させている。西部の大久保おおくぼ地区・土合つちあい地区から西浦和地区にかけては自然堤防地帯となっている。とくに大久保地区には荒川の旧河道が顕著に残っており、典型的な自然堤防地帯を形成している。自然堤防上は標高六、七メートル。なお綾瀬川にも自然堤防が発達した形跡がある。市域中央部をJR東北本線(京浜東北線)、その西を同埼京線がそれぞれ南北に通り、同武蔵野線が東西に通る。東北本線の西を国道一七号が並行して通り、さらにその西を新大宮バイパスが、また東部を東北自動車道が通る。ほかに国道四六三号、県道浦和―大宮線(旧中山道)、主要地方道浦和―岩槻線などが縦横に通る。

〔原始〕

洪積台地の先端ないしは縁辺に後期旧石器時代の明花向みようばなむかい遺跡(大谷口)松木まつき遺跡(三室)があり、見沼の低地を挟んでおびただしい数の旧石器時代遺跡がある。縄文時代に入っても引続き舌状台地が生活の場となっており、早期末から前期前半の海進現象は大谷場おおやば貝塚に代表される貝塚を数多く残した。中期以後も馬場小室山ばんばおむろやま遺跡のように長期にわたる集落跡が検出された遺跡がある。海退後、淡水化した見沼の蛋白源や根菜・果実・野獣・野鳥に支えられたものといえよう。弥生時代には水稲耕作が可能な地として初めは見沼周辺に多くの集落が営まれたが、古墳時代に入ると西部の自然堤防地帯に集中してくる。古墳は大久保地区・土合地区および白幡しらはたに認められるが、古荒川の水と平野が生んだものといえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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