年貢皆済目録(読み)ネングカイサイモクロク

デジタル大辞泉 「年貢皆済目録」の意味・読み・例文・類語

ねんぐ‐かいさいもくろく【年貢皆済目録】

江戸時代年貢を完納したときに、領主側から地方じかたに交付した請取書。地方三帳の一。皆済目録

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精選版 日本国語大辞典 「年貢皆済目録」の意味・読み・例文・類語

ねんぐかいさい‐もくろく【年貢皆済目録】

〘名〙
① 一般に、江戸時代、村方が年貢を完納した際に領主側が出す年貢の領収書をさす。
② 江戸時代、地方三帳の一つで、幕領代官が、支配下の村の年貢皆済をうけて、勘定所に提出した帳簿

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改訂新版 世界大百科事典 「年貢皆済目録」の意味・わかりやすい解説

年貢皆済目録 (ねんぐかいさいもくろく)

江戸時代,幕領の代官が支配村々の年貢皆済後,御殿勘定所皆済方へ提出する帳面で,年貢米金(べいきん)皆済目録ともいう。支配所の高を国・郡別や定免(じようめん)・検見(けみ)別とはせずに一括し,本途(ほんと)・見取(みとり)・高掛物(たかがかりもの)・小物成(こものなり)・口米永(くちまいえい)・諸運上分一(ぶいち)などに2升の延米(のべまい)を付し,米蔵(こめぐら)・金蔵(かねぐら)へ納めるべき米金を項目ごとに記し,石代納(こくだいのう)分は内訳して代金を記し,元払(もとばらい)勘定(収支決算)に合わせた帳面で,地方(じかた)三帳の一つ。置証文年季証文),当証文(一年季証文と長年季証文の最後の証文)と皆済目録との照合の後,勘定奉行に皆済届を出す。また代官役所は村方に対し上納のつど通帳に押切印形するか,小手形という受取書を発行し,皆済になると通帳・小手形と引替えに村方に皆済目録が下付された。これも年貢皆済目録というが,通常一紙書付である。村方作成の年貢勘定目録に代官・手代が裏書調印する形式のものも年貢皆済目録の一種である。藩領,旗本領などでも幕領と類似の年貢皆済状が発行された。
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百科事典マイペディア 「年貢皆済目録」の意味・わかりやすい解説

年貢皆済目録【ねんぐかいさいもくろく】

皆済目録とも。江戸時代貢租(こうそ)納入完了により領主が1村あてに発行した受領証年貢数回にわたって納められたが,そのつど仮受領証が出され,納付完了の後納入明細を記して代官の名で村方に渡された。→地方三帳

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「年貢皆済目録」の意味・わかりやすい解説

年貢皆済目録
ねんぐかいさいもくろく

単に「皆済目録」ともいう。江戸時代,年貢徴収のための帳簿である地方 (じかた) 三帳 (→郷帳 , 年貢割付状 ) の一つで,年貢請取証。領主は一村の年貢を決定すると,年貢割付状をもって村方に通達し,村方はその割付状に従って年貢を数度に分割して納入した。納付が終了すると,代官は納入過程の明細を記した皆済目録を村方に渡した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「年貢皆済目録」の意味・わかりやすい解説

年貢皆済目録
ねんぐかいさいもくろく

江戸時代、年貢完納の証(あかし)として各村方へ出された帳簿。村方皆済目録ともいう。それらの総計を記したのが年貢米金(べいきん)皆済目録である。

[編集部]

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