沼須村(読み)ぬますむら

日本歴史地名大系 「沼須村」の解説

沼須村
ぬますむら

[現在地名]沼田市沼須町・上沼須町かみぬますまち

下久屋しもくや村の南西、片品かたしな川の右岸沿いにあり、北は沼田城下、南西は戸鹿野とがの村・戸鹿野新町南東は川を挟んで勢多せた糸井いとい村・森下もりした(現利根郡昭和村)。沼田台地とは大段丘崖によって分けられ、片品川河川敷と段丘面に立地。「加沢記」によれば天正六年(一五七八)北条氏家臣塀賀伯耆守は知行地「沼巣」のうち一貫五〇〇文分の地を戸賀野八幡宮に寄進。同一八年一二月三日真田信幸知行宛行状写(小林文書)によると当村のうち五四石分の地を家臣藤井甚右衛門に宛行っている。慶長七年(一六〇二)と思われる(一説では同一九年)真田信幸朱印状写(長野県立図書館蔵)によると藩主信幸は五年の諸役、新町へ来る者の負物・借銭の免除などにより新町の市の振興を図っている。同一九年頃には片品川より沼須用水を引き新田を開き慶安四年(一六五一)には、それまで東西に広く点在した民家を中央南北に向いた一二間、九〇間の地に集め、沼田城下南方の出入口とした(「阿左見日記」石川文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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