法制懇(読み)ほうせいこん

知恵蔵mini 「法制懇」の解説

法制懇

集団的自衛権の問題を含めた、憲法との関係の整理について研究を行うため設置された、内閣総理大臣の私的諮問機関。日本周辺の安全保障環境が厳しさを増す中、それにふさわしい対応を可能とするため、安全保障の法的な基盤を再構築する必要があるという認識によるもの。正式名称は「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」で、安保法制懇と略されることもある。第1次安倍内閣の2007年に、首相の私的諮問機関として発足。安倍首相退陣後の福田康夫内閣時(08年)に報告書をまとめ、首相(当時)に提言を行ったが、たなざらしとなった。安倍首相の再登板に伴って、13年2月に同懇談会は再開された。一方で、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈見直しの閣議決定に反対する学者や弁護士、元官僚らが参加する「国民安保法制懇」という組織もある。国民安保法制懇は14年9月29日、安倍政権が閣議決定した武力行使の新3要件で「他国に対する攻撃により、国民の生命や権利が覆される明白な危険がある場合」に、行使が容認されるとしたことについて、客観的な歯止めではないと批判の声明を発表すると共に、報告書を政府に提出した。

(2014-10-8)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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