泣本(読み)なきほん

精選版 日本国語大辞典 「泣本」の意味・読み・例文・類語

なき‐ほん【泣本】

〘名〙 (「なきぼん」とも) 寛政末期以降、梅暮里谷峨作『傾城買二筋道』(寛政一〇年刊)に代表される、遊女と客の恋愛を描き主情的テーマを基調にした末期洒落本を指していう。また、文政期の初期人情本についてもいう。
※滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)序「近来滑稽本(しゃれぼん)癈って泣(ナキ)本となり、青本変じて赤本に帰る」

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デジタル大辞泉 「泣本」の意味・読み・例文・類語

なき‐ぼん【泣(き)本】

《「なきほん」とも》人情本異称主人公をことさら不遇に描いて、女性読者の悲涙を誘ったところからいう。

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