洋上防空体制(読み)ようじょうぼうくうたいせい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「洋上防空体制」の意味・わかりやすい解説

洋上防空体制
ようじょうぼうくうたいせい

洋上で敵ミサイルや航空機の脅威を無力化するシステム。2002年度(平成14)まで、防衛庁(現防衛省)は「洋上における防空」という表現を用いてきたが、現在では「周辺海域の防衛のための作戦」の概念のなかに整理されている。構想では、OTHレーダーや早期警戒管制機E-767が敵の侵攻探知・捕捉し、イージス艦等の護衛艦隊部隊が防空戦を行い、要撃戦闘機F-15等が能力の範囲内で防空戦を実施する。その際、米軍は自衛隊の作戦を支援し、打撃力の使用を伴うような作戦を含め自衛隊の能力を補完することが期待されている。中期防衛力整備計画(2005~2009年度)では、イージス・システム搭載護衛艦の能力向上、F-15の近代化改修による防空能力の向上、E-767のレーダー機能の向上による警戒監視能力の向上等が図られている。

[村井友秀]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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