日本大百科全書(ニッポニカ) 「洪江」の意味・わかりやすい解説
洪江
こうこう / ホンチヤン
中国、湖南(こなん)省南西部の県級市。懐化(かいか)地級市に属する。人口49万8000(2014)。長江(ちょうこう)(揚子江(ようすこう))水系の沅江(げんこう)とその支流巫水(ふすい)の合流点に位置する河港である。沅江上流部の湖南、貴州(きしゅう)両省省境地区の木材などの農林産物の集散地で、氷砂糖橙(とう)(オレンジの一種)、ユズ、良質の松脂(まつやに)、磁器、クスノキ製の箱類などの産地としても有名である。同市産の桐油(きりゆ)は洪油(こうゆ)の名で知られているが、その伝統技術は近年消滅しつつある。また化学、機械、紡織、縫製工業が立地。1950年会同(かいどう)県より分離して市となり、1963年黔陽(けんよう)県に編入、1979年ふたたび市に復活、1997年に黔陽県を合併した。
[河野通博・編集部 2016年12月12日]