日本大百科全書(ニッポニカ) 「洮南」の意味・わかりやすい解説
洮南
とうなん / タオナン
中国、吉林(きつりん)省北西部にある県級市。1987年洮安(とうあん)県が市制施行し、現名に改称された。白城(はくじょう)地級市に属する。常住人口43万2271(2010)。周辺の広い平野はモンゴルのジャサクト王旗の牧地であったが、1902年漢民族に解放された。のちに防風林も設けられて、大豆、コウリャン、トウモロコシ、アワ、小麦、テンサイなどの作物や製紙用アシ、東北細毛ヒツジ、ブタ、ウマを産出する。平斉(へいせい)線(四平(しへい)―チチハル)、白阿線(白城―阿爾山(あじさん))が通じる。東方20キロメートルの城四家子古城は古瓦、古銭を出土し、遼(りょう)、金(きん)の達魯(ダロ)城に擬せられている。
[浅井辰郎・編集部 2017年7月19日]