浄名寺(読み)じようみようじ

日本歴史地名大系 「浄名寺」の解説

浄名寺
じようみようじ

[現在地名]宇部市大字棚井 浄名寺

厚東ことう川の右岸棚井たないの浄名寺にある。浄土宗で清泰山と号し、本尊は阿弥陀三尊。

「注進案」によれば、開基は厚東氏一四代の武実で、建武二年(一三三五)祈願寺として開かれたのに始まる。真言律宗に属し、南都西大さいだい(現奈良市)末寺となり、厚東氏から祈祷料として三〇〇石をつけられたとする。文和三年(一三五四)の浄名寺文書(「注進案」所収)

<資料は省略されています>

とあって、厚東義武が当寺に棚井村の畠地を寄付しており、「市庭小路」の地名がみえる。さらに永徳二年(一三八二)七月一日付の同文書によれば、厚東氏に代わって長門国を支配した大内義弘が当寺に「蔵福寺免田畠」を寄付している。また、これより先貞治三年(一三六四)一〇月二〇日付の浄名寺知行分目録(「寺社証文」所収浄名寺文書)には、「棚井村分」「ヒロセ」「際(波)分」「須恵分」「吉見」「有保別府」「末延郷四ケ小野」「吉部村」「船木法師丸」などの地名が列挙されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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