浅井 冽(読み)アサイ レツ

20世紀日本人名事典 「浅井 冽」の解説

浅井 冽
アサイ レツ

明治・大正期の教育者,歌人 長野県尋常師範学校教授嘱託。 長野県歌「信濃国」の作詞者。



生年
嘉永2年10月10日(1849年)

没年
昭和13(1938)年2月17日

出生地
信濃国松本(長野県松本市)

旧姓(旧名)
大岩

経歴
信濃松本藩士の子として生まれる。儒学者林鶴梁に師事し、旧幕時代には松本藩校崇教館の句読などを務めた。維新後、筑摩県学の設立とともに助教に就任。学制が発布されると筑摩県師範学校や長野県師範学校で教員免許取得の勉強をしながら、開智学校・信楽村盛業学校で教鞭を執った。松本中学校(のち東筑摩中学校に改称)を経て明治19年長野県尋常師範学校に赴任。以後、約40年に渡って国文を教え、教諭・教授嘱託などを歴任。その間、砲撃腕前を生かした実弾射撃の披露や水泳部の創設など、斬新な教育法を実践し、多くの教員を育てた。その一方、和歌や文章・書道にも堪能で、長野県下の学校校歌や校訓なども多数手がけた。32年には「信濃教育会雑誌」に小学校唱歌「信濃国」の詞を発表。作曲家北村季晴によって作曲された同曲は、のち長野県県歌に選ばれた。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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