浜之市村(読み)はまのいちむら

日本歴史地名大系 「浜之市村」の解説

浜之市村
はまのいちむら

[現在地名]隼人町真孝しんこう

国分郷真孝村の南にあり、南は内海(鹿児島湾)に面する。浜市とも記される。建武二年(一三三五)一〇月(閏一〇月か)の酒匂久景遵行状案(比志島文書)によれば、日向国櫛間くしま(現宮崎県串間市)雑掌弘成と野辺盛忠との相論において、下地を雑掌に沙汰し居えるため今月二五日に薩摩国を出国し、同二八日に「大隅国浜市場」に着到すべきことが命じられている。この「浜市場」と浜市はおそらく同じもので、当地は当初湊に栄えた市場から出発したと考えられる。年未詳正月八日の伊集院久武書状(都城島津家文書)には、「浜之市御蔵へ米皆納申候」とあり、浜市には米を収納する蔵があったことがわかる。

元亀三年(一五七二)一月一〇日、肝付氏勢力下のめぐり(現福山町)から「浜市小島」へ来た兵船は島津方に捕らえられ、肝付衆岸良将監をはじめ一六人が討取られた(「北郷忠相等三代日帳写」都城島津家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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