日本大百科全書(ニッポニカ) 「浜洲線」の意味・わかりやすい解説
浜洲線
ひんしゅうせん / ピンチョウシエン
中国、満洲里(まんしゅうり)―ハルビン(哈爾浜)間の鉄道名称。延長935キロメートル。中ロ国境の満洲里から大興安嶺(だいこうあんれい)を越えて松花江(しょうかこう)(スンガリー川)流域の平原に入り、その中心都市ハルビンに至る。沿線にハイラル(海拉爾)、竜江(りゅうこう)、大慶(たいけい)などの都市がある。浜綏(ひんすい)線(ハルビン―綏芬河(すいふんが)間)と結んで、中国東北地区を北西―南東方向に横断する幹線鉄道であり、満洲里でロシアの鉄道と接続し、シベリア鉄道のカリムスコエに通じる。ロシア資本の東清鉄道により、黒竜江沿岸を迂回(うかい)するシベリア鉄道の短絡線として1899~1901年開業した。日露戦争後もロシア資本の下に経営が続けられたが、1935年「満州国」によって国有化され、翌年ロシア式の5フィート軌間(1524ミリメートル)を国際標準軌間(1435ミリメートル)に改軌し、南満州鉄道にその経営が委託された。中華人民共和国成立後、一時的に中ソ両国の共同管理となり、中長鉄路公司(コンス)として経営されたが、1952年末で中国に引き渡された。この線を経由して、北京(ぺキン)―ハルビン―モスクワ間の国際列車が週一往復運転されている。
[青木栄一・青木 亮]