ハイラル(読み)はいらる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハイラル」の意味・わかりやすい解説

ハイラル
はいらる / 海拉爾

中国内モンゴル自治区フルンボイル市中部にある市轄区。ハイラル河と伊敏河(いびんが)の合流点の標高677メートルに位置する。人口28万0382(2015)。気温の低極は零下49℃、高極40℃、7月の平均気温20.9℃、年降水量325ミリメートルという大陸性草原気候の地で、ヒツジウシウマを多産する。区内には乳製品、肉類加工、毛皮毛織物などの工場が多い。浜洲(ひんしゅう)線が通じ、フルンボイル東山空港があり、またフルンボイル市の政府所在地で、経済の中心地である。元代には海喇児(ハイラル)と書き、清(しん)末以後、ロシアの占領、モンゴル人の自治要求などで混乱した。

[浅井辰郎・編集部 2017年12月12日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ハイラル」の意味・わかりやすい解説

ハイラル (海拉爾
)
Hailar

中国,内モンゴル自治区北部のフルンブイル(呼倫貝爾)盟にある都市で,同盟の行政公署の所在地。人口26万(2000)。ハイラル川と伊敏河の合流点にあたり,浜洲鉄道(ハルビンマンチュリー)に沿う。清代の雍正年間(1723-35)に町がつくられ,光緒年間(1875-1908)に呼倫庁がおかれ,1913年呼倫県となった。40年市制が施行された。畜産加工,建築材料,機械,ガラスなどの工場があり,肉類加工コンビナート,乳製品工場,皮革工場が最も有名。周辺は〈三河馬〉〈三河牛〉の産地として知られる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ハイラル」の意味・わかりやすい解説

ハイラル

中国,内モンゴル自治区の呼倫貝爾市にある区。漢字では海拉爾。旧名フルン(呼倫)。浜洲鉄路(ハルビン〜マンチュリー)に沿い羊毛,皮革,家畜,ハイラル馬などを集散する。付近のフルンブイル草原で牧畜が盛ん。28万人(2014)。
→関連項目フルンブイル(呼倫貝爾)

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のハイラルの言及

【アルグン[川]】より

…長さ1520km,流域面積16万9700km2。はじめ中国領内の大興安嶺西斜面におこり,ハイラル川(海拉爾河)と呼ばれ,西流してハイラル市北郊をよぎってマンチュリー(満洲里)東方で大きく北東に湾曲,ふたたび大興安嶺の支脈を深く下刻して流れ,左岸からシルカ川をあわせてアムール川本流となる。マンチュリー東方の湾曲部からシルカ川合流点までの約950kmは中国とロシアとの国境を形づくる。…

※「ハイラル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android