浦上郷(読み)うらかみごう

日本歴史地名大系 「浦上郷」の解説

浦上郷
うらかみごう

和名抄」所載の郷。訓は高山寺本は「宇良加美」、東急本は「宇良加三」。「播磨国風土記」に浦上里がある。地名はかつて摂津難波の浦上に居住していた阿曇連百足らが同地に移住してきたことにちなむという。百足のことは当郡石海いわみ里の条にもみえ、孝徳天皇の頃の人物であるという。平城宮跡出土木簡に「播磨国揖保郡占上郷□家里阿曇□」とみえる。この木簡は郷里制記載から霊亀三年―天平一二年(七一七―七四〇)の間のもので、百足と同族の阿曇氏の居住を示す。記紀によると阿曇氏は綿津見神を祖神とし、海人集団を統轄したとされる氏族である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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