① ムカデ綱(唇脚類)のうちゲジ類を除く節足動物の総称。体は扁平で細長く、体長は三~三〇センチメートルぐらい。頭部と、多数の環節からなる胴とに分かれる。頭部には一対の触角、単眼(まれに無眼)および毒腺を備えたあごがあり、各体節に一対の歩脚を持つ。一般に夜行性で、山野の腐植土に多く、小昆虫やミミズを捕食。雌雄異体。生殖腺は後端に開き、前端に開くヤスデ類と異なる。歩脚が一五対のイシムカデ、二三対のアカムカデ、一七三対のジムカデなど種類が多く、世界に約二〇〇〇種知られる。人に害を与えることは少ないが熱帯地方にすむ種は毒が激しく、有害。中国・朝鮮では乾燥して強壮剤に、日本では油に浸して切り傷などの薬にされる。ゲジ類を含めていうこともある。昔、怪異な動物と見なされて大百足など奇談が多く、毘沙門天の使いと信じられていた。はがち。ひゃくそく。《 季語・夏 》