精選版 日本国語大辞典 「浮ける」の意味・読み・例文・類語
う・ける【浮】
- 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]う・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 - ① ( 「浮く」に対する他動詞 ) 物を、水面や水中に浮かぶようにする。浮かべる。
- [初出の実例]「こもりくの 泊瀬の川に 船浮(うけ)て 吾が行く河の」(出典:万葉集(8C後)一・七九)
- ② 物事を外面に表わす。特に、涙を浮かべる。
- [初出の実例]「涙をうけてのたまへば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)梅枝)
- ③ 織物などの模様を浮かび上がらせる。
- [初出の実例]「セルカン織の雲形がオリイブ色に浮(ウ)けて見える」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉秋)
- ④ 地面などから離れるようにする。浮かす。
- [初出の実例]「尾うけてめぐるに、〈略〉つばくらめの巣に手をさし入れさせてさぐるに」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- ⑤ 船を浮かべる。出帆する。
- [初出の実例]「今夜うける船」(出典:浄瑠璃・仮名手本忠臣蔵(1748)一〇)