… 海難は,巨額な財産上の損害を生ずるとともに,尊い人命の損失をも伴う。そこで国は,まず海難を事前に防止するために,海上衝突予防法,海上交通安全法,船舶安全法,船員法,船舶職員法,水先法などを制定している。そして,不幸にして,海難が発生してしまったあとの処理のため,海難の原因を明らかにすることによって,将来の海難の発生を防止することに寄与するため海難審判法に基づく海難審判制度があり,また,商法には,船舶衝突の場合の損害の帰属に関する規定と,海難救助がなされた場合の海難救助料に関する規定などがある。…
…なお,海上における船舶交通に関する一般法として海上衝突予防法(1977公布)があり,港則法は同法の特例を定めたものである。また,同じく海上衝突予防法の特例を定めた法律として海上交通安全法(1972公布)があるが,同法は,東京湾,伊勢湾,瀬戸内海のうち港則法に基づく港以外の海域を対象としている。【晴山 一穂】。…
※「海上交通安全法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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