縞状磁気異常(読み)しまじょうじきいじょう(その他表記)striped pattern of geomagnetic anomaly

最新 地学事典 「縞状磁気異常」の解説

しまじょうじきいじょう
縞状磁気異常

magnetic anomaly lineation

海域で縞状に観測される磁気異常の中で,海洋底拡大地球磁場反転がその成因と考えられるもの。1950年代後半に北米西岸沖で発見され,F.J.Vine et al(1963)によってその成因が示された。すなわち,地磁気が逆転を繰り返している時期に海洋底拡大が起こると,海嶺で形成される岩石が正または逆の方向に磁化を獲得し,その海域で地磁気を観測すると縞状磁気異常が観測される。この説をバイン-マシューズ理論と呼ぶ。同じ海嶺で形成された縞状磁気異常の集まりを縞状磁気異常群と呼ぶ。主要な縞状磁気異常には現在の正磁極期(ブリュン期)を1として古いほうへ順に磁気異常番号がつけられている。現在から白亜紀後期までは正磁極期に番号がつけられているが,中生代(白亜紀前期~ジュラ紀後期)の番号はMesozoicのMを付して逆磁極期につけられ,M系列縞状磁気異常と呼ばれている。北西太平洋の日本縞状磁気異常群,ハワイ縞状磁気異常群などがM系列縞状磁気異常の例。湾曲した縞状磁気異常,あるいは走向の異なる縞状磁気異常がつながっている所をマグネティック・バイトと呼ぶ。海洋底拡大で形成された海洋底で縞状磁気異常が観測されない所のうち地磁気静穏帯と呼ばれる海洋底がある。地磁気静穏帯は地球磁場が長い間逆転しなかった期間に形成された海洋底であり,白亜紀地磁気静穏帯とジュラ紀地磁気静穏帯が存在する。

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改訂新版 世界大百科事典 「縞状磁気異常」の意味・わかりやすい解説

縞状磁気異常 (しまじょうじきいじょう)
striped pattern of geomagnetic anomaly

海洋上で観測される磁気異常で,正の異常を黒く塗ると縞状になるので名づけられた。磁気異常は幅20~30km,長さ数百kmで海嶺の両側対称な模様となる。海洋底が縞状に正負に磁化していることになり,1950年代の最大の謎であったが,63年にバインF.VineとマシューズD.Matthewsによる,海洋底拡大説と地磁気の反転を組み合わせたバイン=マシューズ仮説により解決された。海嶺で湧き出したマントル物質は海洋底となり,海嶺の両側へ拡大していくが,海洋底は海嶺で冷えて固まるときに,その時代の地磁気の方向に自然残留磁気を獲得する。過去に地磁気が繰り返し反転していれば,テープレコーダー原理で海洋底の自然残留磁気は上向きと下向きの縞状になるのである。磁気異常の縞状の模様が,海嶺軸の両側で対称になることもよく説明できる。
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百科事典マイペディア 「縞状磁気異常」の意味・わかりやすい解説

縞状磁気異常【しまじょうじきいじょう】

海上磁気測定で中央海嶺(かいれい)に平行に縞状に観測される磁気異常。北米西海岸に見られるものが有名。この現象は,バインとマシューズ(1963年)によって,〈海洋底が中央海嶺から湧き出し冷却する時に当時の地球磁場を記憶し,その地球磁場が反転を繰り返すため海嶺軸に対して左右対称な磁気の強弱の縞模様が形成される〉と説明された。この説はバイン=マシューズ説と呼ばれ,海洋底拡大説の重要な証拠となった。
→関連項目トランスフォーム断層

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