海洋発電(読み)かいようはつでん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海洋発電」の意味・わかりやすい解説

海洋発電
かいようはつでん

海洋エネルギーを利用した発電方法。海洋温度差発電,海流発電,波力発電などがある。 (1) 海洋温度差発電 海面深海との温度差を利用した発電方法で,アンモニアフロンなど沸点の低い液体を温度の高い海面付近で気化し,そのガスでタービンを回して発電する。ここから排出されたガスは温度の低い深海で液化され,再び海面へと送られる。熱帯地方など海面温度が高い地域に適している。 (2) 海流発電 海流でプロペラを回転させて発電させる。日本では黒潮発電が考えられている。また潮の干満を利用した潮流発電もあり,フランスのランス河口の発電所などが稼働している。 (3) 波力発電 海面に置いた容器内の空気が波の上下運動によって圧縮・膨張されて発生する空気の流れを利用する空気タービン方式,堤防などにカム (→カム装置 ) を固定し堤防にあたる波の回転運動を往復運動に変えるショルターカム方式,海中に固定したやぐらに多数のラフト (いかだ) をつなぎ,波の上下運動によってラフト間に生じる位相のずれを利用するラフト方式などの方法が検討されている。

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