浸剤(読み)しんざい

精選版 日本国語大辞典 「浸剤」の意味・読み・例文・類語

しん‐ざい【浸剤】

〘名〙 こまかく砕いた薬物熱湯を注ぎ、かきまわして成分をしみ出させる薬剤。ふりだし薬。ふりだし。〔慶応再版英和対訳辞書(1867)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「浸剤」の意味・読み・例文・類語

しん‐ざい【浸剤】

細かく切った生薬に熱湯を注ぎ、成分をにじみ出させて服用する薬剤。振り出し薬。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「浸剤」の意味・わかりやすい解説

浸剤
しんざい

生薬(しょうやく)を精製水で浸出した液剤。生薬を適当な大きさに切り、この50グラムを浸煎剤(しんせんざい)器に入れ、精製水50ミリリットルを加え、約15分間潤したのち、熱精製水を900ミリリットル注ぎ、数回かき混ぜながら5分間加熱し、冷やしたのち、布で漉(こ)して製する、と日本薬局方では規定している。生薬の有効成分に応じて、浸出水の温度、浸出時間、加熱時間、濾過(ろか)時の温度が決められ、煎剤とともに生薬類の投与法の一つである。キキョウ浸、オンジ浸、バッカク浸、セネガ浸、センナ浸などがかつては用いられたが、現在では製剤技術の進歩により、エキス剤をはじめ、顆粒(かりゅう)剤、カプセル剤などが繁用されるようになり、この種の剤形は衰退一途をたどっている。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android