消し飛む(読み)ケシトム

デジタル大辞泉 「消し飛む」の意味・読み・例文・類語

けし‐と・む【消し飛む】

[動マ四]けしとぶ」の音変化。
手綱にすがって引きければ、馬は―・み跳ねあがり」〈浄・松風村雨
石段のなかば、わざと―・みぬるを」〈浮・御前義経記・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「消し飛む」の意味・読み・例文・類語

けし‐と・む【消飛】

  1. 〘 自動詞 マ行四段活用 〙 ( 「けしとぶ(消飛)」の変化した語 )
  2. つまずく。けつまずく。
    1. [初出の実例]「御馬は少ふけたれども〈略〉ときの声を聞ふれて百万人の勢子鼓、けしとむ事の候はず」(出典:浄瑠璃・大磯虎稚物語(1694頃)馬揃へ)
  3. 驚いて立ちすくむ。はたと止まる。
    1. [初出の実例]「此馬俄にけしとみて、耳を立て毛をふせて」(出典:浄瑠璃・天智天皇(1692)五)
  4. 途中でつまずいて物が言えなくなる。絶句する。
    1. [初出の実例]「己が悪事を高々と、読で恟(ぴっく)り消止(ケシト)面付」(出典浄瑠璃・京羽二重娘気質(1764)九)

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