液体金属冷却材(読み)えきたいきんぞくれいきゃくざい(その他表記)liquid-metal coolant

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「液体金属冷却材」の意味・わかりやすい解説

液体金属冷却材
えきたいきんぞくれいきゃくざい
liquid-metal coolant

水銀ナトリウム,ビスマスなどの液体金属を利用した原子炉冷却材。液体状の金属は,熱伝導度が大きく,沸点が数百℃と高いので熱効率がよく,冷却材としての利用価値がある。特に高速増殖炉炉心の容積あたりの発熱量が,軽水冷却型炉の 10倍もの大きさなので,この熱エネルギーを効率的に取り出して冷却するには,水よりも熱伝導度のはるかに高いナトリウムやナトリウム-カリウム合金といった液体金属が適している。ナトリウムは高温状態でも圧力を高くする必要がない反面,水に出合うと爆発的に反応する,ステンレス鋼を腐食する,大きな熱伝導率なので急な温度変化があると構造材に衝撃を与えやすいなど,技術的に取り扱いが難しいのが難点である。

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