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増殖炉 ぞうしょくろ breeder reactor

翻訳|breeder reactor

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

増殖炉
ぞうしょくろ
breeder reactor

消費する核燃料物質よりも多くの新しい核燃料物質を生産する原子炉。核分裂を起こしやすく,核燃料として直接使えるウラン 235は天然のウラン中には約 0.7%しか存在しない。しかし,天然に産するウラン 238やトリウム 232の核燃料親物質に中性子を吸収させると,それぞれ核分裂しやすいプルトニウム 239やウラン 233に変わる。

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デジタル大辞泉の解説

ぞうしょく‐ろ【増殖炉】

消費した核燃料以上に、新しい核燃料を生成する原子炉。高速増殖炉熱中性子炉などがある。

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百科事典マイペディアの解説

増殖炉【ぞうしょくろ】

原子炉の一種で,運転中に消費される核燃料よりも多量の新核分裂性物質が生産されるもの。最も有望なのは核燃料に濃縮ウランまたはプルトニウムを用い,核分裂により生じた中性子のうち連鎖反応維持に必要なもの以外をウラン238に吸収させてこれを核分裂性のプルトニウム239に転換する方式。
→関連項目転換炉劣化ウラン

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大辞林 第三版の解説

ぞうしょくろ【増殖炉】

核分裂によって消費される核燃料物質に比べ、新たに生じる核燃料物質の方が上回るように設計された原子炉。高速増殖炉・熱中性子炉がある。 BR 。 → 転換炉

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

増殖炉
ぞうしょくろ

消費する核燃料よりも新たに生成する核燃料のほうが多い原子炉を増殖炉という。増殖炉には、熱中性子増殖炉と高速増殖炉があり、前者は燃料にウラン233、増殖用炉心のブランケットの親物質にトリウム232を用い、後者は燃料にプルトニウム239、ブランケットの親物質にウラン238を用いる(参照)。高速増殖炉が一般的であり、Fast Breeder Reactorの頭文字をとってFBRという。ほかに、熱中性子増殖炉として、燃料にウラン233溶融塩を用いた溶融塩増殖炉も開発中である。
 天然ウランの中には0.7%のウラン235が含まれているが、軽水炉ではこれを約3%に濃縮して使用している。原子炉にウラン235だけを利用したのでは、数十年でウラン資源を使い尽くしてしまうので、ウラン238やウランの数倍もあるトリウム232を核分裂性物質に転換して、原子炉燃料としてリサイクルする必要がある。ウラン238とトリウム232は、次の核反応によって、プルトニウム239とウラン233に核変換される。

 核分裂で発生した中性子の一部をブランケットの親物質に吸収させ、プルトニウム239とウラン233を生成する。
 原子力発電の主流は、軽水炉から、将来は液体ナトリウム冷却型高速増殖炉に移行すると予測されていた。液体ナトリウム冷却型高速増殖炉は、軽水炉よりも高温で運転されるため熱効率が高く、フランスで開発されたスーパーフェニックス(電気出力約120万キロワット、1985年臨界)の場合40%にも達する。また燃料集合体は、直径8.65ミリメートルの燃料棒271本からなり、炉心はこのような集合体600体(ブランケット集合体を含む)で構成される。燃料棒の被覆管はステンレス、その表面は秒速6メートルで流れる液体ナトリウムで冷却される。燃料棒の中心温度は2000℃にも達し、被覆管は620℃、わずか4ミリメートルほどで約1500℃の温度勾配(こうばい)が生じる。また、出力密度は500キロワット/リットルと軽水炉の5倍にもなっている。あらゆる面で、高速増殖炉は軽水炉よりも厳しい炉心条件で運転されることになる。増殖比は1よりもわずかに大きい程度であり、スーパーフェニックスの場合1.24であった。冷却材の液体ナトリウムは、空気あるいは水に触れると激しく反応し、爆発現象をおこすので、その管理には注意が必要である。
 高速増殖炉の分野で、積極的に開発を進めてきたフランスではスーパーフェニックスに故障が続発、将来性がなくなったため、停止、解体された。日本でも、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が開発した「もんじゅ」(電気出力28万キロワット)が、試運転中の1995年(平成7)12月にナトリウム漏れによる火災事故を起こした。動燃は1998年9月に解団し、同年10月核燃料サイクル開発機構が事業を継承し、2005年10月より核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所が統合して発足した日本原子力研究開発機構が「もんじゅ」を管理している。また、高速増殖炉は燃料に核兵器の原料となるプルトニウム239を使用するため、アメリカでは核拡散防止の見地から開発を取りやめている。[桜井 淳]

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世界大百科事典内の増殖炉の言及

【原子炉】より

…転換率が1より大きいときには原子炉の運転にしたがい炉心で核分裂性物質の量が増えていくので,転換率といわず増殖率という。この転換率を大きく設計(0.7以上を目標にするのがふつう)した原子炉を転換炉,1より大きく設計した炉を増殖炉という。一方,このようにして得られた核分裂性物質を燃料とする原子炉を専焼炉という。…

【増殖】より

…増殖の起きている原子炉の中では核分裂性物質が燃焼とともに増えていく。増殖の起こる原子炉を増殖炉といい,その転換率を増殖率という。【近藤 駿介】。…

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