日本大百科全書(ニッポニカ) 「液体金属」の意味・わかりやすい解説
液体金属
えきたいきんぞく
liquid metal
すべての金属は融点以上で液体状態となるから、これを液体金属とよぶが、狭義には使用温度で液体状態になっている金属をさす。たとえば、室温における水銀、原子炉その他の冷却材に使われるナトリウム、リチウムなどである。
金属が融解したときの体積増加はナトリウムなどのアルカリ金属では2~3%、銅、銀、金では4~5%であるが、ガリウム、ビスマスでは3%程度体積が減少する。液体金属の構造はX線・中性子線回折により調べられる。ある1個の原子に着目すると、その周辺の原子の配置は固体状態での配置とかなり似通ったものであることが知られている。
[小岩昌宏]