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液体金属 えきたいきんぞくliquid metal

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

液体金属
えきたいきんぞく
liquid metal

すべての金属は融点以上で液体状態となるから、これを液体金属とよぶが、狭義には使用温度で液体状態になっている金属をさす。たとえば、室温における水銀、原子炉その他の冷却材に使われるナトリウム、リチウムなどである。
 金属が融解したときの体積増加はナトリウムなどのアルカリ金属では2~3%、銅、銀、金では4~5%であるが、ガリウム、ビスマスでは3%程度体積が減少する。液体金属の構造はX線・中性子線回折により調べられる。ある1個の原子に着目すると、その周辺の原子の配置は固体状態での配置とかなり似通ったものであることが知られている。[小岩昌宏]

原子炉と冷却材

原子炉においては核燃料中に発生した熱を炉心外に運び出すために冷却材が使用される。冷却材には、中性子の吸収断面積が小さく、熱伝導度が高く、粘性が小さく、かつ比重が小さくて循環に要する動力が低くてすむ材料が要求される。そのほか、融点が低く、沸点が高く、熱および放射線に対して安定で誘導放射能が少なく、腐食性がないことも冷却材の満たすべき性質である。冷却材には、炉型により水、重水、水蒸気、炭酸ガス、ヘリウムなどが用いられるが、高速増殖炉では金属ナトリウムが使用されている。[小岩昌宏]

金属ナトリウム

ナトリウムは融点97.81℃、沸点882℃であり、広温度範囲にわたって常圧液体として存在すること、比重が1以下(20℃で0.971)、粘性係数は500℃で常温水の4分の1以下、熱伝導度が高く、高温における他の金属の共存性がよいことなど、冷却材として優れた性質をもっている。[小岩昌宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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