日本歴史地名大系 の解説
淡路国津名郡三原郡反別戸数取調書(反別戸数取調書)
あわじのくにつなぐんみはらぐんたんべつこすうとりしらべがき
四冊
原本 国文学資料館史料館蔵蜂須賀家文書
解説 淡路国の二郡をそれぞれ二冊に分け、三原郡一二ヵ組・一三三ヵ村浦(一二七ヵ村・六ヵ浦)、津名郡一四ヵ組・一三四ヵ村浦(一一八ヵ村・一六ヵ浦)を組頭庄屋(大庄屋)管轄区域別に村名・庄屋の身居りと名前・村高、蔵入高・知行取藩士(給人)の知行高および寺社領などが田畠畝とともに記される。阿波徳島藩蜂須賀氏による領国経営期の淡路全域の相給地分布の実情を知ることができ、知行高村割帳の性格を有する。また村ごとに家数・男女別人数、ならびに延宝期の棒役(近世初頭の淡路における夫役)と文化期における夫役負数の対比と賦課役銀数量の増減、浦における諸役銀が記され、賦課役請負帳をも示している。なお寺社の諸記録・伝承・神祠・古蹟・古城址・民家持伝の判物などの項目が村ごとに添えられている。郡ごとの巻頭に諸項目の総数がまとめられているが、奥書には「徳島藩」とのみ記され、著者・成立年代とも不詳。見聞きに「明治十二年 当国西郡普通産物表三原郡(津名郡)播種地」と一〇項目の品目が記されるが、本文との関わりがなく字体も違うことから、後の加筆と思われる。本文中の文化期の夫役数は、文化二年に淡路全域で調査された百姓夫改帳の付箋分に嘉永元年再調査後の数値が記載されるが、これと本史料中の各村分が付合し、百姓夫改帳を元帳としてまとめられており、各種の藩による改帳を元とした幕末維新期の官撰編纂地誌と推論できる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報