混合精神病(読み)こんごうせいしんびょう(その他表記)mixed-psychosis

改訂新版 世界大百科事典 「混合精神病」の意味・わかりやすい解説

混合精神病 (こんごうせいしんびょう)
mixed-psychosis

ドイツの精神医学者クレペリンによって分類された二大精神病(統合失調症躁うつ病)に位置づけられない疾患群に対して付与された概念。1926年にガウプ,マウツF.Mauzらによって創始された。すなわち彼らは個々症例は体質生物学的多次元診断学の観点からみるとはっきりした限界をもつ疾患単位に分けることは不可能であり,病像,経過,予後に現れる特徴の組合せ混合があるにすぎないと主張した。なお,レオンハルトK.Leonhard,満田久敏らは混合精神病の存在には批判的で,二大精神病とは独立した精神病として非定型精神病の概念を提起している。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 飯田

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android