清巌寺跡(読み)せいがんじあと

日本歴史地名大系 「清巌寺跡」の解説

清巌寺跡
せいがんじあと

[現在地名]安岐町掛樋

懸樋山橋入院と号し、本尊薬師如来であった。平安末期から六郷山末山本寺の一つとして栄え、一六世紀半ばの成立と思われる六郷二十八山本寺目録(太宰管内志)に名がみえ、仁聞の開基と伝える。寛文九年(一六六九)焼失した際、掛樋かけひ村庄屋渡辺権左衛門より両子ふたご寺順慶に提出した書付覚(渡辺家文書)によると、本堂を天正一八年(一五九〇)に田原親家が造り替え、慶長一〇年(一六〇五)には杵築城代松井康之の臣井口将監が造営、明暦元年(一六五五)渡辺兵衛以下村中が造営した。「右二月晦日出火仕候而堂御本尊并十躰の霊仏什物等悉皆焼亡仕原野と相成候(中略)依之先般堂を造立申度旨村中存知ニ御座候条、廿八谷之寺院ヘ勧化申入度存候、併宜願貴寺之御裁許候」と両子寺へ願出たが許されなかった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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