安岐町(読み)あきまち

日本歴史地名大系 「安岐町」の解説

安岐町
あきまち

面積:九〇・七七平方キロ

国東半島東部に位置し,ほぼ中央部にそびえる両子ふたご山から流れ出る両子川・朝来野あさくの川に沿って町域は南北に延び、両川は安岐川に合流して東流する。安岐川河口両側の狭い範囲で伊予灘に面し、東から北は武蔵むさし町、北東は国東町、北は国見くにみ町、西は豊後高田市・西国東郡大田おおた村、南は杵築きつき市に接する。塩屋の伊予野原しおやのいよのはる遺跡は後期旧石器時代および縄文時代早期の遺跡、成久の内山なりひさのうちやま遺跡は弥生時代の遺跡である。安岐川河口左岸の下原しもばる古墳は前方後円墳で、竪穴式石室の採用例としては九州でも古い時期に属する。塩屋塚山つかやま古墳は六世紀後半のものといわれ、馬場の築山ばばのつきやま古墳は前方後円墳で、県内では数少ない形象埴輪を出土した。

和名抄」によると国東郡には七郷があり、現町域はほぼ阿岐あき郷にあたるといわれる(両子は武蔵郷)。阿岐郷は現在の杵築市東部をも含み、その地域には宇佐宮の最も重要な末社の一つ奈多なだ宮が鎮座した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報